設備管理・保全
注目記事
指標でモノづくりを評価しよう! #2 時間稼働率
2025.05.12
モノづくりにおいて欠かすことのできない「故障ゼロ」「不良ゼロ」「災害ゼロ」。このためには設備がしっかりと動き、良品を生産し続けることが重要ですが、なかなかそうもいきません。そこで日々の生産では、目標と計画を決めて改善活動などに取り組み、その成果を指標を使って評価をします。 モノづくりを評価する指標はさまざまですが、本稿では、TPMで標準化されている指標や実績値について紹介します。
第3回 玉掛けの力学(その3)
2025.06.02
国立大学法人 九州工業大学支援研究員・客員教授堀田 源治
装置材料の損傷・劣化「べからず集」Vol.5
2025.06.01
図に模式的に示す多管式熱交換器(以下熱交と略す)は、化学プラントで多く用いられるタイプの熱交である。熱交を設計する場合に、腐食性のある流体をシェル側に流すことは、原則として避ける必要がある。すなわち多管式熱交では「腐食性流体はチューブ側に流す」を原則とする。それは、図に示すように、シェル側に腐食性流体を流すと、バッフル近傍や管板近傍で滞留部が生じるため、流体の流れを均一に一定以上の速度で流すことが不可能であり、かつ伝熱管表面の付着物や腐食生成物を定期修理時などで物理的に洗浄することが困難であり、更に腐食が発生した場合の非破壊的な検査が管内側に流体を流す場合に比べ困難になるためである。 これは、伝熱管が炭素鋼の場合も、ステンレス鋼の場合も同様である。 プロセス流体に腐食性が無い場合は、冷却水は炭素鋼やステンレス鋼に対して腐食性があるため、これをシェル側に流さず管内側に流した方が、以上の種々の課題に対応する上で望ましい。このような設計段階での配慮が、熱交の信頼性やメンテナンスの負荷に大きく影響する。ただし、プロセス側流体にも腐食性が有る場合や、プロセス側流体に重合やスケーリングの発生がある場合には、それらの流体をチューブ側に流さざる得ないため、冷却水をシェル側に流す場合もあり得る。その場合は、熱交のタイプを固定管板式からU字管式や遊動頭式などのチューブバンドルを開放できるタイプへ変更し、洗浄や検査を行い易くすることが考えられる。また、冷却水側からの腐食を抑制するため伝熱管の材料を炭素鋼からステンレス鋼へ変更や、ステンレス鋼でも冷却水側からの応力腐食割れの発生を抑制するためSUS304などのオーステナイト系ステンレス鋼から、SUS329などの2相系ステンレス鋼へ変更するなど、材料面からの腐食抑制策を選択することを行うことが妥当な場合もある。
ものづくり屋視点による労働衛生の実践 No.2『 労働衛生の3管理と安全の「基本3原則」の意味を再考する』
2025.05.15
作業環境管理、作業管理、健康管理が労働衛生の3管理といわれている。衛生管理者をはじめとする現在の関係者にとっては「常識」かもしれないが、筆者が駆出しの作業環境測定士であったころは、まだこの建付けに至ってはいなかったと記憶している。国により策定される労働災害防止計画(5か年計画)があり、第1次計画が1958年にはじまっている。その記憶というのは、第5次(1978年~1982年)の時代である。「職業性疾病予防対策の積極的推進」の中に、「イ 化学物質の有害性調査制度等の積極的活用」「ロ 作業環境管理対策の推進」「ハ 健康管理対策の積極的推進」「ニ 産業医学の振興」の4項目が示され、作業管理は特筆されていない。 その後、専門家による議論や提起等(とくに輿、沼野ら図表ー1脚注)を踏まえて、第7次計画の同項目に、「イ 作業環境管理対策の徹底」「ロ 作業管理指針の作成」「ハ 特殊健康診断項目の見直し」・・・後略、という形で3管理の枠組みが整いはじめた。 想像の域において、当初は熱意ある産業医学関係者からの先行した働きかけに、周辺の研究者ら専門家が呼応し、環境状態の定量的把握の仕組みを整える段階にあった。原因特定から対策に至る生産現場への具体的的展開には、まだ距離があった感触を覚えている。しかし、最前線で労働者の有害物へのばく露(当該物質等にさらされること)を防ぐためには、生産技術の領域に踏み込むことが焦眉の課題であり、諸先輩の尽力によって、現在の形に至ったものと受け止めている。個人的にも歯痒さを覚え、労働衛生機関を飛び出して製造業の現場に転身したのは、この後である。図表ー1は、有害物質の取扱いに係る労働衛生3管理の課題と関係である。左上の原材料が有害(ハザード)であった場合、そのハザードが、生産プロセスと作業者との関わりによって、右下に向かう結果がリスクとなり、そのリスクが許容限度を超えた場合に健康障害に至る可能性が“大”となる。 作業環境管理は上流に位置する。ハザードである有害物質は、用いないか代替されることが本質であるが、最小限使用せざるを得ない場合には、設備・工程の設計や改善により、作業環境への発散や付着による作業者への接触を可能な限り抑制する必要がある。環境空気を汚染するリスクについては、局所排気装置等により低減策を講じる。 中流が作業管理となる。ここでは、上流で抑制しきれなかった残存リスクに対して、ばく露を最小限にする作業標準の設定や個人用保護具(防じん・防毒マスク、保護メガネ、保護手袋など)の着用により、人体への浸入を最終的に防護する。ここまでの段階で、原則としてリスクを許容限度以下に抑え込まなければならない。 しかし、上流~中流域での設計、維持・管理が不十分であった場合や故障、ミスオペ、あるいは化学物質等に対する感受性の極端な個人差によるリスクは“ゼロ”ではないので、健康管理の仕組みによって、フォローアップする。この最終プロセスは、決して作業者を「炭鉱のカナリア」にしてはならないのであって、ばく露に係る監視・測定のフィードバックは中流以前で行われなければならない。健康診断の所見によっては、「安全」に例えるなら災害発生と同等の意味を持つ。
記事一覧
第3回 玉掛けの力学(その3)
2025.06.02
装置材料の損傷・劣化「べからず集」Vol.5
2025.06.01 FREE
装置材料の損傷・劣化「べからず集」Vol.4
2025.05.15
「自主保全」のススメ~自分の設備は自分で守る~②
2025.05.15
ものづくり屋視点による労働衛生の実践 No.2『 労働衛生の3管理と安全の「基本3原則」の意味を再考する』
2025.05.15
指標でモノづくりを評価しよう! #2 時間稼働率
2025.05.12 無料会員
第2回 玉掛けの力学(その2)
2025.05.01
装置材料の損傷・劣化「べからず集」Vol.3
2025.05.01
第2回 潤滑油の組成
2025.05.01
2024年度 外注技能工の単価調査の概要
2025.04.15 無料会員
装置材料の損傷・劣化「べからず集」Vol.2
2025.04.15
「自主保全」のススメ~自分の設備は自分で守る~①
2025.04.15 無料会員